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求めているもの

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尾崎一雄さん(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BE%E5%B4%8E%E4%B8%80%E9%9B%84)の奥さん、「芳兵衛」の松枝夫人が亡くなられて
かれこれ一年が経ちましたか・・・・・
(「いろは草子」2007.3.16のワタクシの記事 おくやみ http://irohatogei.com/irohazoshi/diary.cgi?no=64をご参考に)

奇しくも昨日、書棚(?)から引っ張り出してきたのが
尾崎一雄著、昭和36年発行、中央公論社「末っ子物語」

で、その書き出し・・・・

多木太一夫妻が五月下旬のある朝・・・裏庭で雨上がりのいきいきした木や草を眺めながら、声高に話している。・・・今、彼は五十五歳、戦争末期病気になり長い東京生活を切り上げて、療養のため一家を挙げて郷里の湘南地方の田舎町に引っ込んでいた・・・・そのながい病牀生活から足腰が弱っているものの・・・それでも細君の心配をよそに屋根に登ろうとしていた・・・・それはゆうべから降りだした雨で樋に落ち葉がつまっているのを除こうとして、ついでに屋根掃除を思い立ったのであった。
 末っ子の桂子(中学生)が学校に出かけた後、予定通り屋根に登ると

・・・・ここからは本文の丸写しです・・・・(^^)

・・・多木は何の苦もなく屋根のてっぺんに上った。そして四方を見渡した。約四キロの南に相模湾が、空の青さをうつして美しくひろがっている。白い波がしらのチラチラする海岸線、その手前を東西に走る旧東海道の松並木、さては海上四十キロのあなたに、ぼんやり浮かぶ伊豆大島・・・・。
 目を転ずると、伊豆半島から北へ箱根、足柄とつづく山並みを前景に、富士山がそびえている。雨上がりだからだろう、この季節としては珍しく澄み透った大気の中に、くっきりとその秀麗な輪郭をくぎっている。
太一は、(いつ見ても悪くない眺めだ)と、樋の掃除なぞ忘れて、屋根のてっぺんに突立っている。(こんな良い景色が眺められるのに、いくらすすめても屋根にのぼろうとしない、あいつはどうかしている)と、吐の中で細君に小言を言うのだった。

・・・・・

というのが(^^)(^^)
この物語の出だし・・・で

まだそこまでしか昨日は読まなかったのですが

いいないいなと感慨に浸りながら
(この本は以前に二度ほど読了していたはず)

自分が今、どんな「情感」を求めているかが
ほぼ、おぼろげに解り・・・・

それではと、同じく書棚から出してきたもう一冊の本を
開いたところ・・・・・・(^^;)(^^;)

・・・・

文章が大変長くなるような
予感がしてきましたので・・・(^^;)

この続きは
また明日とさせていただきたく・・・・・(^^;)

お許しを・・・(--)